コメディ

映画『ナイトウォッチメン』の感想・ネタバレ:ゾンビ×バンパイア×ピエロ

鳥頭N
原題:The Night Watchmen 製作:2016年 アメリカ (C) 2016 / DWTD Studios

ミッシェル・アルティエリ監督の映画ナイトウォッチメンを観たので、作品情報につづいて感想を書き残しておきます(すぐ下はネタバレなしの感想)。

ラスト・結末までの簡易的なネタバレは「あらすじ」の項にまとめているので、鑑賞後のおさらいや予習用に読みたい方はそちらを参照のこと。

映画『ナイトウォッチメン』の作品情報

監督

  • ミッシェル・アルティエリ
    映画『悪魔はそこにいる』(2014):監督・脚本

脚本

  • ジェイミー・ナッシュ
    映画『イグジスツ 遭遇』(2014):脚本
    映画『デス・ボウリング 真夜中の惨劇』(2024):監督
  • ケン・アーノルド
  • ダン・デルーカ

役名/キャスト

  • ケン/ケン・アーノルド
    映画『デス・ボウリング 真夜中の惨劇』(2024年):ブルース役
  • ジゲッツ/ケヴィン・ジゲッツ
  • ルカ/ダン・デルーカ
  • ジャスティン/マックス・グレイ・ウィルバー
  • カレン/カーラ・ルイズ
  • ランドール/ジェームズ・レマー
    映画『オッペンハイマー』(2023):ヘンリー・スティムソン役

予告編(海外版)

日本語字幕・吹き替えなし

あらすじ

真夜中のオフィスビル。不真面目な3人の警備員、ケン(ケン・アーノルド)、ジゲッツ(ケヴィン・ジゲッツ)、ルカ(ダン・デルーカ)達の元に、新人警備員ジャスティン(マックス・グレイ・ウィルバー)がやって来る。ふと、ケンが監視カメラに目をやると、何やら怪しげな棺を駐車場へ搬入する宅配業者の姿を発見。ケン達は現場へと急行するが、届け先が間違っていたと判明し、一晩だけ駐車場に置いておくことにする。しかし、オフィスで働くランドール(ジェームズ・レマー)が偶然通りかかり、棺を開けてしまう。すると、棺の中から、ピエロの格好をしたヴァンパイアが現れ、オフィスに残っていた人々を次々と襲い始める。ケン達4人と逃げ延びた女性ジャーナリストのカレン(カーラ・ルイズ)は、ヴァンパイアの群れと戦うことに…。

Q
映画『ナイトウォッチメン』ラスト・結末のネタバレ(※押すと開きます)

ヴァンパイアにやられた者はヴァンパイアになる。

同僚たちが次々と異形に姿を変えるなか、5人はビルの用務員であり、ヴァンパイアと化してしまった男ウィリーを捕らえる。

実験の結果、ヴァンパイアらは頭に銃弾を撃ち込んでも死なず、杭となるものを身体に突き刺すことで活動を停止することがわかった。

おそらく伝説上のヴァンパイアの弱点がそのまま効く。そうとわかったケンたちは彼らを誰かが食べていたニンニク入りミートボールで遠ざけたり、ジゲッツが隠し持っていた大麻を用いて活動を緩やかにさせながらビル内を進んでいくのだが、さすがに増えすぎたヴァンパイアに対処しきれなくなる。元凶であるピエロのヴァンパイア、ブリンポが仲間を呼び寄せているのである。

そこでケンたちは彼らを一網打尽にする策に打って出る。時は日の出前、血を全身に塗りたくり、臭気で呼び寄せたヴァンパイアどもに日光を当ててやるのだ。

しかし、微妙に日の出のタイミングが遅かったために狙い通りとはいかず、逆に彼らに囲まれる絶体絶命のピンチを迎えてしまうことに。

その時だった。ヴァンパイアらの攻撃によってジャスティンの服が破れ、あらわになる彼の背中には、十字架のタトゥー。彼は元ドラマーだったのだ。

十字架のタトゥーに怯むヴァンパイア。ようやく日の光が差し込み始めると、彼らは燃えていなくなり、ケンたち5人は屋外に脱出することができたのだった。

映画『ナイトウォッチメン』の感想

(C) 2016 / DWTD Studios

ここ一週間、観るのをずっと楽しみにしていた作品をようやく拝むことができた。

本作については、個人的に好きだった映画『デス・ボウリング 真夜中の惨劇』の監督ジェイミー・ナッシュが脚本を、ノンデリながら心はピュアで優しい主人公の父親ブルース役を演じたケン・アーノルドが主演(ほぼ)、脚本、製作と担当しているという情報を掴んだときから既に「つぎに観る映画はぜったいにこれにしよう」と固く心に決めていたのだ。

で、観た。傑作だったんじゃないかと思う。

本作の舞台となるのは、とあるオフィスビル。ルーマニアで怪死したサーカス一座の座長であり、ピエロでもあるブリンポの遺体が業者のずさんなミスによってここに届けられる。

しかし、ビルのスタッフもみな輪をかけてロクでもないヤツらばかりであり、やがては遺体の装飾品を漁り、小遣い稼ぎをしようと企む者まで現れるのだが、彼が証拠として撮ったツーショ自撮りにはなぜかプリンボの姿は映っておらず……というところから、ジャケットでいうゾンパイア・アポカリプスの大感染劇が始まる。

この時点ですら既にゾンビ×バンパイアどころではなく、ゾンビ×バンパイア×ピエロというB級映画好きにとっての夢のコラボが見られて超胸アツだったのだが、本作はさらにそこへお色気、お下劣といった笑いのアラカルトを、ふんだんに、オフビートに散りばめてくれるから気前がいい。

2分に1回、いや、1分に1回のペースで逐次投入されていたように思う小ネタの数々。そして、それらを際立たたせるカメラワークがまたイイんだなぁ。

ドラマ『ブルックリン・ナイン-ナイン』を思い起こさせる手ブレ感強めのカメラワークがシーンに謎の疾走感を与えることで、ゾンパイアとのバトルには迫力を感じたし、キャラ同士のふざけ合いもより悪ノリの印象を強めて見せる効果があったんじゃないかなーと好意的に受け取った。

ところでだが、ゾンビとバンパイアの弱点っていったいなんなのだろう? ふと立ち止まり、考える。

なんとなくだが、ゾンビには頭を銃で撃ち抜けば行動不能になるイメージがあり、バンパイアは十字架、聖水、ニンニク、銀の武器、心臓に杭を打つ、日光……とかなり弱点が多いイメージがある。

ということは、だ。噛み付きがメインのバトルスタイルであるゾンビとバンパイアを掛け合わせたところで、攻撃のバリエーションはさほど増えるわけでもなく、じつはポケモンでいうところの弱点が多い いわ/じめんタイプになっているだけなんじゃないだろうか。

つまるところ、ゾンパイアとはイワークなのである(ポケモン知識はダイパで止まっている)。

おそらく製作側はこの部分を「こりゃあネタに困りませんな~、ワハハ」などと思ってやっている。喜び勇んで取り入れている。気がする。

さすがにただのオフィスビルが舞台なので銀にまつわるものはなかったが、ニンニク、とくにクライマックスでの十字架を使った対ゾンパイア戦法パートは、まさに己のユーモアの発揮どころだったんだろう。

ハッパでブリブリにキマるゾンパイアなども目に映る映像上はアホの極みでしかなかったが、自分の嗜好のストライクゾーンどんぴしゃり。こうかはばつぐんだったし、同時にアイデアとしての手広さに感心してしまった。

『デス・ボウリング~』のときも感じたことではあるが、ここらのスタッフの作品(ほかの作品でもつながりのあるキャスト、スタッフがちょこちょこタッグを組んでる模様)はホラーを描いてはいるものの、観たあとに清涼感を覚えさせる、サッパリしたテイストの作品を好んでいるのだろうか。

あんまし修道院が舞台の陰鬱ホラーとか、静かなホラーが好みでない自分としてはかなり好みな部類。ウマが合いそうな予感。本作で期待値上がっちゃったんで、これからも追っかけさせてくださいな!

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鳥頭N(トリアタマ エヌ)
鳥頭N(トリアタマ エヌ)
映画ブロガー
ホラーやアクション、ヒューマンドラマといったジャンルが好きな20代男性。物忘れのひどいThe鳥頭。脳トレがてらに感想ブログを始めましたが、たいしたことは書いてません。書けません。
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