映画『ザ・ハングマン 死刑執行人』の感想・ネタバレ:口は災いのもと

鳥頭N
原題または英題:The Hangman 製作:2024年 アメリカ (C) 2024 Traverse Media LLC

ゲオの店頭レンタルで映画ザ・ハングマン 死刑執行人を借りて観てみました。

前回の投稿に続き、ブルース・ウェンプル監督作品からの選出。

今回も鑑賞後に抱いた感想・雑感をネタバレ要素ありで書き残しておきます。

記事下にはコメント欄を設けてあるので、本作を鑑賞済みの方はぜひとも感想(映画、記事に対して問わず)などを残していただければ。

また「あらすじ」の項の末尾には、この映画のラスト・結末までの展開をごく簡潔にまとめて掲載中。内容をおさらいしたい、鑑賞前にざっくり内容を把握しておきたい方などは参照のこと。

↓ネタバレ要素なしの感想はこちら!

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映画『ザ・ハングマン 死刑執行人』の作品情報

監督・脚本

  • ブルース・ウェンプル
    映画『ドーン・オブ・ザ・ビースト 魔獣の森』(2020):監督
    映画『レイクサイド・スクリーム 脱出不能』(2019):監督・脚本・製作・編集・撮影

脚本

  • ルジョン・ウッズ
    映画『ドーン・オブ・ザ・ビースト 魔獣の森』(2020):出演

役名/キャスト

  • ルジョン・ウッズ/リオン
    映画『ドーン・オブ・ザ・ビースト 魔獣の森』(2020):オズ役
  • マー・ルセルス/ジェシー
  • スコット・カレンバーガー/ハングマン
  • リンジー・ドレスバッハ/タラ
  • ダニエル・マーティン・バーキー/ジェディディア神父

予告編(字幕版)

あらすじ

50年の時を超え“ハングマン”と呼ばれる悪魔が復活。次々と獲物を求め殺戮をはじめる。同じころ、リオンとジェシーの親子がある森へキャンプにでかけるが、翌日、ジェシーが忽然と行方をくらましてしまう。消えた息子を探すため、父親のリオンは森で助けを求めさまようが、そこは悪魔の信者たちが支配する場所で、リオンは彼らに命を狙われてしまう。ジェシーに危機が迫る中、リオンは麻薬組織から救ったタラや、リオンを選ばれし者と導くジェディディア神父の力を借りて、新たな悪魔のいけにえとして選ばれた息子を救うべく決戦の地へと赴く。

Q
映画『ザ・ハングマン 死刑執行人』ラスト・結末のネタバレ(※押すと開きます)

ハングマンにはある壮絶な過去があった。

彼の本当の名はデイモン。彼の父親は病弱な息子のため、町に住んでいたトーマス博士を頼った。しかし、悪魔崇拝者であったトーマスは、治療と称してデイモンの身体に悪魔を降霊。依代を得た悪魔はトーマスに永遠の命を授けたのだ。町民たちは殺人狂となったデイモンを恐れ、彼を捕らえると、首吊りのうえ火炙りにして処刑したのだという。

当時の写真をジェディディア神父から見せてもらったリオンは、神父が示したトーマスの顔に違和感を覚える。写真に映る男はリオンの店の顧客であり、息子との時間を取りたがっていたリオンに私有地である森を使わせてくれた人物にそっくりだったのだ。

彼はジェシーを新たな依代にしようとしているのか。ことの真相に近づき始めた瞬間、どこからともなく現れたハングマンに神父が襲われてしまう。リオンは神父が「これを奴の心臓に突き立てろ…」と遺した十字架を握りしめ、予言で示された位置へとに向かう。

一度はトーマスと彼の同志ビリーに拉致されるも、救援に来たタラの助力を得てトーマスを殺害、逃げおおせるリオン。やがて単身で予言の場所にたどり着いた彼が目にしたのは、ハングマン復活の呪具として用いていたらしき首吊台と、その根元に広がる地獄への入口だった。

再び現れたビリーを攻防の末に殺害したものの、地獄へと落ちてしまったリオンの体はなんと5年前の自宅にいた。自らが酒場で漏らした財産話を悪漢に聞かれ、強盗に押し込まれた末に妻を失ったあの夜。壁を挟んだ向こうから、悪漢ではなくハングマンに襲われるジェシーの声が聞こえる。リオンはジェシーに声援を送りながら、彼には黙っていた後悔の言葉を口にした。

ハングマンは自らの境遇に近い、苦難に耐える若い生命を欲していたが、リオンの謝罪によってジェシーの心が揺らいだためか、地獄に形成した世界を保てなくなっていた。

再び地上へと戻ってきたリオンは、縄を巧みに使って追ってくるハングマンの攻撃を躱し、多くのピンチを切り抜けると、彼の心臓に十字架を一突き。ハングマンは地獄へと吸い込まれていった。

再会を心から喜び合うリオンとジェシーだったが、ジェシーには初日の夜以降の記憶がないという。それでもリオンは、父子関係の亀裂のもととなったあの夜のことをきちんと話そうと胸に誓ったのだった。

映画『ザ・ハングマン 死刑執行人』の感想

(C) 2024 Traverse Media LLC

『ドーン・オブ・ザ・ビースト 魔獣の森』のブルース・ウェンプル監督による日本公開作品最新作(2025年3月時点)ということで観てみました。

『ドーン・オブ〜』はすごく自分のツボに刺さる作品だったんですよね。鑑賞後にXで同監督に言及しているポストをサーチしていたところ、“「配信向け作品だし超低予算のインディーズだし…のワリには光る所のある作品撮るやんけ」でお馴染みの〜”という素晴らしいフレーズで彼のことを表した投稿を見つけたのですが、これがまた自分が『ドーン・オブ〜』で感じたことまんまで。

この感じの作品連発してる監督ならハズレも少ないだろう…ということで、若干、期待値を上げて本作の鑑賞に臨んだところもあるのですが…んー、ちょっとこれはハードルを上げすぎた感が否めない。監督指名で観るものじゃないのかも。

…とは言いつつ『タイムトラベルZ』『レイクサイド・スクリーム 脱出不能』はマイリストに入れたままなんですが。まだまだ期待はしてしまいます。

そんな本作で描かれていたのは、森へキャンプにやってきたリオンとジェシーの親子、悪魔崇拝者、50年ぶりの復活を果たしたばかりの怪物「ハングマン」の攻防劇でした。

作中では、なにやら不和を抱えている様子の父子の過去がだんだんと明らかになっていくなか、対するハングマン側にも常人には耐え難い混乱と失望の過去があったことが判明していく。

ジェシーは母の死について説明してくれないリオンに。デイモン(=ハングマン)は治療(と称した悪魔降霊の儀)を辞めるよう伝えても聞く耳を持たなかった父親に。それぞれ同じ“不信感”を抱いていたといえる構図でしたね。

単なる人間と怪物のぶつかり合いではなく、通ずる背景を持つ者同士の戦いであるとするところは『ドーン・オブ~』との差別化にもなる良い設定だったように思います。

過去に亀裂の道を辿った父子と、いままさにその道を歩みつつあるリオンたちの分岐点が、終盤、地獄の門を抜けたリオンの前に“あの夜”の自宅に酷似した異世界として用意されている展開にも意表を突かれました。

地獄といえば業火に焼かれるだとか、終わることのない苦しみを味わうだとかのイメージ(宗教についてはよく知りませんが…)がありますが、そうではなく一見なんの変哲もない、しかし、当人にとっては地獄よりも辛いであろう自宅にフィールドを移すというアイデアが斬新。

唐突にやってきた試練を前にリオンは怪物に立ち向かう勇気を、過去への償いの姿勢を見せることができるのか。派手なバトルなんかなくても、大の大人が嗚咽混じりに泣き崩れていても、父としての立派な背中を示したといえるんじゃないでしょうかね。アツいシーンでした。

ただ、この映画のうーん…だったところは、その良かった部分をそれ以外の部分が打ち消してしまっているように見えたところ。

とくにジェディディア神父が「これをハングマンの心臓に突き刺せ」と託した十字架に対して、リオンが「先が丸いけど…」とボヤくところはひどい。ジャンルがコメディにひっくり返ったかと思いました。それをここで言っちゃう…?と大シラケ。吹いてしまったのは認めますが、直後に「お前のその軽口が奥さんを殺したんだろ」という思いが湧いてきてモヤります。

『ドーン・オブ〜』では味として受け取れたアクション面も各キャラクターに重い背景のある本作では軽く見えてしまい、“ハングマン”らしく縄を使ってギリギリと縛る、その縄でチェーンソーを手繰り寄せてぶつけるなどのアクションはあれど、いまいちノレない。

先述の見せ場以外はゆったりと間延びした展開でグロシーンも少なく、あっても女子高生がハロウィンのときにやるティッシュを用いた傷メイクレベルのクオリティでガッカリしました。

見せたいところへの熱はすごい。これは間違いないのだと本作を観て確信しましたが、ちょっと今回は描いたものとの相性が悪かったのかもしれないですね。

だからといって、この監督への“不信感”につながったわけではないので、次はちょっぴり肩の力を抜いて観てみることにします。

ABOUT ME
鳥頭N
鳥頭N
映画ブロガー
トリアタマ エヌと読みます。ホラーやアクション、ヒューマンドラマ好きな20代男性。物忘れのひどいThe鳥頭。脳トレがてらに感想ブログを始めましたが、たいしたことは書いてません。書けません。
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