映画『ドーン・オブ・ザ・ビースト 魔獣の森』の感想・ネタバレ︰そして伝説へ…

映画『ドーン・オブ・ザ・ビースト 魔獣の森』をU-NEXTの見放題配信で鑑賞。
今回も鑑賞後に抱いた感想・雑感をネタバレ要素ありで書き残しておきます。
記事下にはコメント欄を設けてあるので、本作を鑑賞済みの方はぜひとも感想(映画、記事に対して問わず)などを残していただければ。
また「あらすじ」の項の末尾には、この映画のラスト・結末までの展開をごく簡潔にまとめて掲載中。内容をおさらいしたい、鑑賞前にざっくり内容を把握しておきたい方などは参照のこと。
↓ネタバレ要素なしの感想はこちら!
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映画『ドーン・オブ・ザ・ビースト 魔獣の森』の作品情報
監督
- ブルース・ウェンプル
映画『レイクサイド・スクリーム 脱出不能
』(2019)︰監督・脚本・製作・編集・撮影
映画『タイムトラベルZ』(2016):監督・脚本・製作・編集
脚本
- アンナ・シールズ
映画『レイクサイド・スクリーム 脱出不能』(2019)︰製作・出演
役名/キャスト
- クリス/エイドリアン・バーク
- イザベル/アリエラ・マストロヤンニ
映画『ゲイザー』(2024):フランキー・ローズ役 - リリー/アンナ・シールズ
映画『レイクサイド・スクリーム 脱出不能』(2019)︰メーガン役 - エヴァレット/グラント・シューマッハー
映画『レイクサイド・スクリーム 脱出不能』(2019)︰バーノン役
予告編(字幕版)
あらすじ
アメリカ北東部某所に“ビッグフット”目撃多発地帯がある。1985年以降、200件の目撃情報があり、54件の行方不明と死亡事件が発生しているその場所では、現地で“死の月”と呼ばれている9月4日から10月2日の間、特に目撃や行方不明の発生が高まるという。その場所にやって来た大学の未確認生物学の実習チームは、山小屋を拠点に調査を開始する。だが、彼らを待っていたのは“ビッグフット”だけではなかった…。夜がやってくると、ある者は死霊に取り憑かれ、ある者は謎の人喰鬼グールの餌食となって1人、また1人、メンバーは謎の失踪を遂げていく。やがて、その修羅場についに伝説のUMAビッグフットが姿を現した…。
- 映画『ドーン・オブ・ザ・ビースト 魔獣の森』ラスト・結末のネタバレ(※押すと開きます)
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恋人であったイザベルを死霊ヴェンディゴの妖術によって失い、この恐慌と混乱のさなか、強いリーダーシップをもって導いてくれた女性リリーもグールに腕をもがれて死んだ。
気弱ながら、チーム唯一の生存者となってしまった男クリスは自らを奮い立たせ、雄叫びを上げる。しかし、現れたビッグフットは、そんな彼を傍目にグールに殴りかかった。
突如として始まる未知の生物、怪異同士の乱戦。ビッグフットはグールの物量をものともせず、首を捻り切り、投げ飛ばし、完膚なきまでに叩きのめす。その様子を見ていたヴェンディゴは静かにその場から去り、戦いは短時間のうちに終了した。
目の前の光景は現実なのか。考える暇もなく、森から離れようとするクリス。10年ほど前に森で彼女を失って以降、ビッグフット狩りに狂執を注ぎ、生前のリリーを誘拐しては贄に捧げようと画策していた男エヴァレットの車を見つけた彼だが、そんな彼の前に妖術で自我を失ったイザベルとエヴァレットが襲い来る。
しかし、修羅場をくぐり抜けたクリスの覚悟は決まっていた。今までの弱い自分を断ち切るように彼らを討ち果たし、森を抜けていく。
エンジンのかからない車を乗り捨て、怪我を負った脚を庇いながら進むクリスを、その場に通りかかった一台の車が拾う。運転手は実習チームにこの森のことを教えてくれた町人だった。彼は言った。
「“死の月”だろ?」
映画『ドーン・オブ・ザ・ビースト 魔獣の森』の感想

ビッグフットの目撃情報が相次ぐとある森。周辺住民も“死の月”と呼んで恐れる危険な時期に現地を訪れた大学生らの顛末を描いたモンスター・ホラー。
レビューサイトなどでの評価はあまり芳しくないものの、個人的には掘り出しモノの部類に入るおいしい作品でした。
プロローグから登場する、闇夜の森で不気味に光る2つの点。目を凝らすと見えてくるヘラジカのような影。しかし、微動だにしないソレには、なにかこの世のものとは思えない雰囲気がある…予算的にここで制作費を使いたくなかっただけかもしれませんが、下手に動かしたり、クリアに映したりしてチープさが滲み出てしまうだとか、それに興を削がれるよりかはずっといい。
ここで抑えていたぶん、中盤でゾロゾロと迫りくるグールの襲来も緊張感を持って楽しむことができました(お楽しみ中に扉を開けられた中坊みたいな反応のグールには笑っちゃったけど。ナニアレ)
大手スタジオに比べたら潤沢な資金もなく、表現力では敵わないのは当然。それならばと、手持ちの技術のなかで取捨選択しながら、キャラクター造形など、できることで戦っている印象が良く映りました。
ただ、この映画で個人的に良かったのは、謎深き森の生態系が垣間見れたこと。ここが一番のポイントだったかもしれません。
サルにもクマにもイノシシにも、なんなら同じ種類の動物たちのなかにも、縄張りというそれぞれのテリトリーがあるわけで。それを侵すことがあれば、争いが起きる。考えてみるとごく普通のことなんだけども、それを未知の生物、怪異というカテゴリーの中でも見せてくれたのが、彼らのなかにもある自然の営みを感じさせる描写に感じて新鮮でした。
直接には手を下さない幻惑タイプのヴェンディゴ。個々のパワーは控えめで、ウェンディゴには使役される立場にありながらも、その物量でもって雑魚さを感じさせないグール。そして、神力を持たない(?)ながらも、その強靭な肉体で圧倒的な強さを誇るビッグフットという三者のパワーバランスもこれまた絶妙。
そんな彼らがぶつかり合うクライマックスのシーンが一番の見どころといっても過言ではないわけですが、それすらも大激突!というわけでなく、小競り合いのうちに収束するというのもなんだかリアリティがあります。
ビッグフット、じつは人類に友好的なんじゃないか説をさらっと拾いつつ、どの生物の格も落とさない内容にはちょっとした感動すらをも覚えましたね。
やはり、こういう類いの生物は人類にとって畏怖されつづける存在でなければならない。青年クリスがこの目を疑うような光景の唯一の目撃者となったことで、彼のみが知る、新たなビッグフット伝説が紡がれていくものの、これでなにか真相が明らかになったわけではなく、謎はまた一段と深まるばかり。未知の生物、怪異を扱う映画としては、安パイながらもこの上なく良い着地だったんではないでしょうか。
クライマックスまでいいとこナシ。ビッグフットがイエティになるレベルの寒いジョークしか吐いてこなかった、冴えないエドワード・スノーデンみたいなクリスの成長・覚醒もキッチリ描いて、おしゃれにエンドロール入り。
安っぽく見えるところはあるんだけど、未知の生物や怪異の見せ方、憑依されたイザベラの熱演シーンをはじめ、グッとくるポイントが80分のなかに散りばめられているなと感じる良い作品でした。
P.S. 切り落とされたエヴァレットの生首も、あの森の新たな伝説のひとつになりそう。死の月に歌う生首が現れる、的な……あ、あと、アレはカーキ色でいいんですか??